イトゴケ Barbella pendulla (Sull.) M. Fleisch.
(イトゴケ属、ハイヒモゴケ科、イヌマゴケ目)
 
 ハイヒモゴケ科の種類の多くは、枝や樹幹、岩壁から垂れ下がって
 生育します。
 イトゴケは、「糸ゴケ」の意味で、細い糸が垂れ下がっているように
 して生育します。西日本で、空中湿度が高く保たれる渓谷では普通に
 見られます。
 イトゴケよりやや太くなり、葉身細胞の乳頭が1個のものは、
 キヨスミイトゴケ(Barbella flagellifera)です。
岡山県新見市羅生門第一ドリーネ付近、2004/07/04
1950年代初めの頃には、この付近の潅木の枝という枝からは、
レースのカーテンのようにイトゴケが垂れ下がっていたそうです。
現在は、探すと、なんとかアチコチに、細々と生育。
岡山県新見市羅生門、2004/07/04
イトゴケの茎は樹木の枝上を這い、茎のあちこちから枝が伸びだします。
枝先はどんどん伸びて立ち上がり、やがては、自らの重みで、
垂れ下がることになります。

1996/09/28 岡山県新見市羅生門 小枝より垂れ下がる。
若い胞子体が付いている。